Tube Works といえば真空管エフェクタ Tube Driver で有名なメーカー。
真空管を使ったアンプも製造しており熱心なファンもいるようです。

今回は知人の依頼で回路図を採取しました。
修理途中とのことでキャビネットから外されたシャーシを渡されて
回路を探りました。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 感電に注意 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
本機の B 電源は他にない平滑回路を備えています。C2, C3 (100uF 400V x 2) の
電解コンデンサの電荷が抜けない構造で、電源を切っていてもこれらの端子に
触れると感電する危険があります。
シャーシ内部を探る前に以下の手順を行うことで感電を防ぐことができます。
(1) POWER スイッチを切り、AC プラグをコンセントから抜く
(2) ST BY スイッチを ON にする (放電開始)
(3) 1分程度放置
(4)  C2, C3 の両端の直流電圧をチェックし 20V 以下になるまで待つ
(5)  ST BY スイッチを OFF にする
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真空管は 12AX7A が1本、6L6GC が 2本。取り外されています。

DSC04801A

左に Tube Drive スイッチ と CH 1&2 スイッチがあります。
この3つのスイッチの組み合わせにちょっとクセがあります。
12AX7A を使ったプリアンプが CH1。CH2 はクリーンチャネル。
Tube Drive スイッチが OFF のとき、CH2 のみが選択されます。
Tube Drive スイッチが ON で CH 1&2 が OFF のとき CH1 のみが選択、
Tube Drive スイッチが ON で CH 1&2 が ON のとき CH1 と CH2 の
両方が選択され、ミキシングされた音が出力されます。

入力ジャックの右の5つのコントロールが CH1 のもので、
Tube Drive, Tube Master, HI, MID, LOW。
次の4つのコントロールが CH2 のもので
GAIN, HI, MID, LO。
最後に両チャネル共通の REVERB 。

右端に ST BY スイッチと POWER スイッチ。

背面。
DSC04802B
左からヒューズ(AC100V では 3A)、LINE OUT, SPEAKER ジャック x 2,
インピーダンス切替スイッチ、FOOT SWITCH ジャック、SEND, RETURN
ジャックが並びます。

DSC04816C
真空管はプリアンプ部に 12AX7A, パワーアンプ部に 6L6GC x 2 が
搭載されていましたが、修理途中なので外されていました。

シャーシ内部
DSC04808Z

プリアンプ部は 12AX7A を使用したハイブリッドアンプ。
12AX7A は B電源電圧 +47V で動作させています。
パワーアンプ部の 6L6GC に +470V を供給しているので、12AX7A にも
+200V 程度の電圧を供給できるはずなのですが、220kΩ 1W の
抵抗を使ってわざわざ +47V まで下げています。
このあたりは Tube Driver のメーカーとしてのコダワリなのかもしれません。