ヤマハの70年代初頭の台形アンプです。
以前、TA-30の回路図と記事を投稿しましたが、ヤマハは
ギターアンプとして TA-60, TA-30 を発売したのちに TA-20 を
追加発売したようです。
このシリーズの大きな特徴はグランドピアノ形と呼ばれる平面スピーカーを
搭載していることで、TA-30 での生音(?) の存在感は他にないのものでした。
平面スピーカーを2基搭載している TA-60 も機会があれば解析したいところ
ですが、なかなかお目にかかることはありません。

さて、今回の TA-20 ですが TA-30 と比較してみるといろいろと変わっています。
TA-30 が発売されたあと TA-20 が発売されるまでの間に、
回路設計やコスト面にずいぶん改良がされているのがよくわかります。
これを書いている時点では TA-20 のメンテナンスが終了していないので
音がどのように変わったか変わらないのかは言えないのですが、
興味深いところです。

TA-20 は単一チャネルのアンプです。
コントロール部
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左から入力ジャック1、2、3。
コントロールは VOLUME, BASS, TREBLE, REVERB, FREQUENCY, DEPTH。
リバーブとトレモロが装備されているのはこの時期の標準的構成です。
ノブは削り出しではないと思いますがアルミ製。ローレットの溝をアルミに
刻むという手の込みよう。

背面

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上部シャーシに AC OUTLET、Foot SW として TREMOLO, REVERB の
2つのジャックを装備しています。

背面パネルを外します。

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上部に大きな放熱版があり、終段トランジスタ 2SD92 が2個搭載されています。
2SD92 のプッシュプルは TA-30 と同じ。
TA-30 でがプリアンプ+操作部と電源+パワーアンプが上下に分かれていましたが
TA-20 では回路は上部に集約されています。


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平面スピーカー JA4002  8Ω 20W。
TA-30 では JA4001 8Ω 30W だったので違う規格のようです。
平面スピーカーの取り付け方法も鋭角部が上になっている点が
TA-30 と異なります。音の広がりに差がでるでしょうか。

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リバーブユニットはアンプ底部に配置され、木箱と背面パネルで保護されて
います。
リバーブユニットはアンプ底面と橙色のスポンジを挟んで取り付けられています。
外部からの振動がリバーブに伝わらないようにスポンジを設置しているのですが、
スポンジが経年劣化で硬く脆くなっています。交換が必要です。